中国語文法 アスペクト助詞と語気助詞の使い方
中国語文法と完了を表現する「アスペクト助詞」「語気助詞」の「了」を使用して「食べる」「飲む」など具体的な動作や行為を表現します
一般動詞述語文 アスペクト助詞 語気助詞 了
『一般動詞述語文 アスペクト助詞 語気助詞 了』の文法解説
中国語の動詞は多くの種類に分けられており、その種類毎にルールがあります。
前に『述語文』では
判断を表す動詞「是」について解説をしました。
『一般動詞述語文』では一般動詞を使用した文を解説します。 一般動詞とは「見る」「聞く」「話す」「飲む」「食べる」など具体的な行為や動作を表現する動詞のことです。
では、実際に例文を解説します。
基本文 :我 喝 花茶 (wo3 he1 hua1cha2)日本文に訳すと「私はジャスミン茶を飲む」の意味となります。
中国文をそのまま読むと「我(私は)」「喝(飲む)」「花茶(ジャスミン茶)」となります。
中国語の基礎文法「S+V+O」ですから、「一般動詞」の「喝(飲む)」は「述語動詞(V)」の場所に置きます。
日本文に訳すと「私はジャスミン茶を飲まない」の意味となります。
否定副詞の「不(ない)」を一般述語動詞「喝(飲む)」の前に置けば否定文になります。
完了文 :我 喝了(α) 花茶了(β) (wo3 he1le hua1cha2le)日本文に訳すと「私はジャスミン茶を飲みました」の意味となります。
完了の「飲みました」を表現したいので「了(した)」を使用します。 しかし、ここで問題なのが「了(le)」をどこに置くかです。
通常「了(le)」は述語(動詞)の直後か文末に置きます。 ただ「了(le)」の置く場所によってはその意味が大きく違います。
ここでは述語(動詞)の直後に置く「了(le)」を【α】
文末に置く「了(le)」を【β】として解説します。
【α】述語動詞の直後に置く「了(le)」を「アスペクト助詞」と言います。
「アスペクト助詞」とは動作の「発生/持続/完了/(時間が経てば)経験」を表現します。
文末に置く「語気助詞」の「了(le)」とは「完了」の意味のニュアンスに大きな違いがあります。 「アスペクト助詞」の「完了」の意味には「・・・したら/・・・してから、○○する。」と 文の完了ではなく、この後も「△△する。」と文が続くニュアンスが含まれます。
【β】文末に置く「了(le)」を「語気助詞」と言います。
「語気助詞」とは動作(状況)の「確認/説明/完了」を表現します。
動詞の直後に置く「アスペクト助詞」の「了(le)」との大きな違いは「確認/説明」のニュアンスがあるところです。
例えば「お茶はいかがですか?」と勧められ「もう飲みましたよ」と返答するとします。
この時「もう飲みましたよ」のニュアンスの中には「もう飲んだから、お茶はいらない」と
「いらない」と言う行為の理由「もう飲んだから」を説明するニュアンスが含まれます。
その他「アスペクト助詞」と「語気助詞」の使用上の注意点は、 『一般動詞述語文』の文法要点で解説します。
完了否定文:我 没喝 花茶 (wo3 mei2he1 hua1cha2)
日本文に訳すと「私はジャスミン茶を飲みませんでした」の意味となります。
否定副詞の「没(しなかった)」を一般動詞「喝(飲む)」の前に置くことで完了否定文となります。
否定文の文法と同じですね。
ここで、先に解説した「否定文」の「不」と「完了文」の「了」を使用しても 「完了否定文」を作成することができるのでは?と思う方がいるかも知れません。 結論から言うと「不」と「了」を使用して「完了否定文」は作成できません。 なぜ、作成できないかは『一般動詞述語文』の文法要点で解説します。
基本疑問文:你 喝 花茶吗 (ni1 he1 hua1cha2ma)日本文に訳すと「あなたはジャスミン茶を飲みますか?」の意味となります。
「飲みますか?」なので「吗」を文末に置けば中国語文法の「疑問文」になります。 もう中国語の基本文法はバッチリですか?
もし、不安のある方は『述語文』 の「疑問文」解説を確認してみてください。
完了疑問文:你 喝 花茶了吗 (ni1 he1 hua1cha2lema)
日本文に訳すと「あなたはジャスミン茶を飲みましたか?」の意味となります。
「○○しましたか」と完了を問う文なので
完了を表現する「了」と疑問詞の「吗」を使用すれば「完了疑問文」を表現できますね。
ただ、ここでは「了(le)」の置く場所に注意する必要があります。 「○○しましたか?」と表現したいのは「確認」です。 「確認」の表現をするのは「語気助詞」の「了【β】」を使用します。 これは、『完了文』で解説しました。 なので「完了疑問文」の場合は「語気助詞」の「了」を文末に置く必要があるのです。
『一般動詞述語文』の文法要点
「アスペクト助詞」と「語気助詞」の使用注意点
「アスペクト助詞」と「語気助詞」の使用方法として「完了文」例文のように
「アスペクト助詞」の「了(α)」と「語気助詞」の「了(β)」の併用は可能です。
また、「語気助詞」の「了(β)」の単独使用も可能です。
ただ「アスペクト助詞」の「了(α)」の単独使用は中国人にとって、少し違和感があるようです。 なぜなら「完了文」でも解説した通り、「了(α)」は「・・・したら、○○する」の 後に「△△する」と言う文が続く感じがするからです。 ちなみに、中国語会話では「語気助詞」の「了(β)」の方がよく使用されます。
「不」と「没」の違い「完了否定文」で否定副詞「没(しない)」を述語の前に置くことで「・・・をしない/しなかった」の意味となります。 ここで「不」と「了」を使用して「我 不喝了 花茶」としても「完了否定文」成り立つのでは?と疑問に思われませんでしたか? 思われた方はよく勉強されています(笑)
しかし残念ながら、この使用方法は間違いです。なぜなら「不」は「・・・しない」 という行動の「意思」を否定するのに対して、 「没」は「・・・していない/しなかった」と動作の「発生」を否定するからです。
ここでは「喝(飲む)」という動作を否定しているので「没」を使用する必要があります。 「不」と「没」の違い、使い分けが少し理解しやすくなったのではないでしょうか(^^